生産効率やコストが優先されがちな風潮がある一方で、そういったものに縛られない、むしろ逆行するかのようなデザインを行うデザイナーもいます。本シンポジウムでは、そういったデザインのありかたを通して多様な人々とのものづくりや、デザインの役割について考えます。
様々な制約がある中で丁寧なリサーチを重ね最善策を導き出すデザインプロセスには、どんな課題のある現場にも通貫する学びがあるはずです。
今回のゲストは、ユーザーの使い勝手を最優先に考え、独自の徹底したリサーチと素材へのこだわりから生まれる唯一無二のプロダクトで知られるポスタルコ、「福祉とあそぶ」をテーマに、デザインの力を最大限に生かした魅力的なプロダクトを次々と生み出すHUMORABOと、プロダクトデザイナーであり、現在常滑を拠点に福祉の現場でのプロジェクトに取り組み始めた高橋孝治さんを招き、お話を伺いつつ、来場者のみなさんとの意見交換やネットワーキングができればと思います。
より良い未来のためにいま一度考えてみませんか?ご参加お待ちしています。
▷開催日時 2025年3月8日(土)13:00₋18:00
▷場所 AXIS ギャラリー(東京都港区六本木5-17-1 AXIS ビル4F)
▷参加費 一般 4,400円(税込) 学生割引 2,200円(税込) オンライン 2,200円(税込) ※アーカイブ動画を後日送ります。
▷お申込み ピーティックスにてお申込みください! https://tsd2025.peatix.com/
▷スケジュール
13:00-13:10 挨拶、説明など
13:10-14:00 トークセッション -POSTALCO-
14:00-14:05 休憩
14:05-14:55 トークセッション -高橋孝治-
14:55-15:00 休憩
15:00-15:50 トークセッション -HUMORABO-
15:50-15:55 休憩
15:55-16:55 クロストーク-POSTALCO×高橋孝治×HUMORABO-
17:00-18:00 交流会
▷登壇者
Postalco design studio マイク・エーブルソン、エーブルソン友理
日々の暮らしに着目した独自の製品を、東京を拠点に作り続けているデザインスタジオ。
革製の書類入れから、衣類、ペン、キーホルダー、バッグなどに独自の考えが応用されている。性別、年齢、国籍を問わず愛されるプロダクトは、使い捨てが増える時代において永く使われることを想定して作られ、生活することを軽くみないで、そこにこそ驚きや、発見のよろこび、Fun(たのしさ)をみつけようとする姿勢につらぬかれている。そのデザインはUnderstatement(控えめ)でありながらUtility(実用性)にすぐれていて、どこかしらWarmth(ぬくもり)がある。
コミュニケーションからインスパイアされたという鳩のマークが象徴的で、人間が生活する上で必要な行為に着目し、よりよく日常を過ごすためのモノを徹底的に研究してデザインされています。このPOSTALCOの在り方が、福祉のフィールドでのモノづくりに大きなヒントがあるのではないかと考えています!
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1980年大分県生まれ。多摩美術大学生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻卒業。良品計画に12年所属し無印良品の生活雑貨のデザイン、防災プロジェクト「いつものもしも」を立ち上げる。2015年-中世より窯業が続く日本六古窯の一つ愛知県常滑市に拠点を置き、ものづくりを軸に活動を行う。常滑市長三賞陶業展(42-45回)審査員 2016-2018年 常滑市陶業陶芸振興事業推進コーディネーター 2017-2019年 六古窯日本遺産活用協議会クリエイティブディレクター 2022年 常滑急須「chanoma」グッドデザイン賞 BEST100・グッドフォーカス賞 2023年 土を基礎とし領域を超えて繋がる集団「スベル」結成。2024年-京都芸術大学大学院芸術研究科准教授。
Photo by 高橋率
Photo by Takumi Ota Photography
最近竣工した高齢者施設の内装に、高橋さんが現在週一で入られている愛知県常滑市にある就労継続支援事業所で製作したタイルが使われました。高橋さんは障害のある方たちの得意とすることを活かしたモノづくりを支援スタッフの方たちとお互いを知り合いながら進めていらっしゃいます。
長い歴史のある伝統工芸と福祉の現場でできたプロダクトが、新しい視点で展開する建築チームとの協働につながっていく。これからの広い意味での産業と福祉の最先端を地道にやっていらっしゃる高橋さんのお話は様々な分野の方にもたくさんの視座を提供するのではないかと思います。
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HUMORABO(ユーモラボ) 前川雄一、前川亜希子
前川雄一と亜希子によるデザインユニット。
2007年に障害をもつ人の表現(アート)に出会い、福祉施設商品の企画・販売を通じてその魅力と課題を実感。デザイン× 福祉のさらなる可能性を実現するため、2015年からユニットとして活動を開始しました。福祉施設でつくられる手漉きのリサイクルペーパー「 NOZOMI PAPER®︎ 」のブランディングをはじめ、『福祉とあそぶ』をテーマに、デザイナー夫婦ならではの二つの視点で、社会と福祉の楽しく新しい関係を探っています。
Photo by Ami Harita
Photo by Ami Harita
東日本大震災で被災した宮城県にある『のぞみ福祉作業所』で復興支援からはじまったHUMORABOのNOZOMI PAPERの実践は14年経った今も続く。この間に、紆余曲折ありながらもあるべきビジョンを見据えて引っ張ってきた彼らのパワーと、マーケティング含め、広範囲にわたるブランディングのきめ細やかさから学べることがたくさんあります。
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▷モデレーター
AXIS ギャラリー 佐野恵子
TOKYO SOCIAL DESIGN 加藤未礼
▷主催 TOKYO SOCIAL DESIGN
▷企画協力 AXIS ギャラリー
【AXIS協力展】TOKYO SOCIAL DESIGN デザインシンポジウム 2025 ー誰かのためのデザインー
誰のためのデザイン?効率やコストに縛られないデザインを考えるシンポジウム開催 | AXIS Web | デザインの視点で、人間の可能性や創造性を伝えるメディア